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活動の三本柱

初心者のための能 若者能

若者能に興味をお持ちいただき、ありがとうございます。
 
若者能は2004年、私が大学生の時でした。幼少期から私の能を観てくれていた友人たちが、能を家族や友達にも見てもらいたい、能の輪を広げたいという想いで、私の背中を押してくれたことにより始まりました。
その想いは年々広がり、能楽堂は毎回満員、その半数以上のお客様が初めての能楽堂、という公演が続き、2025年20回記念公演が決定しています。
 
分かりにくく難しいと思われがちなお能ですが、いくつかのヒントを踏まえれば、決してそんなことはありません。若者能では、最初の解説コーナーで、そのヒントをお知らせします。室町時代に始まり650年もの間、日本人に愛されている芸能の扉が開く瞬間です。
 
分かりにくい、そもそもわかる、とはなんでしょう?隣の人と情報を共有することを分かる、と思っていませんか?能を鑑賞する上で、隣の人と情報を共有する必要はないのです。
観る人それぞれの心の中に、想像力によって色付けされた真の舞台が、観ている人の数だけ浮かぶものなのです。
 
想像力を膨らませるのが得意なのは、子どもと外国人。若者能は、未就学児と外国人を歓迎しています。周りに感性の鋭い方が集まっている環境で、鈍くなっていた感受性を取り戻すような感覚を受けられるはずです。知らなかった世界に足を踏み入れれば、その場に居合わせる全ての人の世界観も広がります。 時に未就学のお子様の歓喜の?感涙の?声が上がることもあります。しかし10年後、20年後の彼ら、彼女らが、日本を支える重要な役割を担っていることでしょう。未来への投資。温かく見守っていただきたく存じます。

能は現存する世界最古の舞台芸術です。日本が誇るべき精神性を随所に見ることができます。
決して派手ではありませんが、真の「美しい」がちりばめられています。
装束、能面の美術品としての美しさ、舞台の美しさ、心地よい囃子の音色。シテ方の足さばき、手の動き、面の角度や息づかいに至るまで、強さの中の美しさを追求します。
神経を使い訴えるその様、築き上げられた信念を訴えるその姿は、観る人の心を圧倒し異次元の空間へと誘います。
謡の知識があればもっと楽しめる言葉遊びの面白さもありますが、分からないから楽しめないといったことはありません。単語を聞き取り、それを繋ぎ、心の中に絵を描くイメージで、拾い上げるように聞いてみてください。

1.未就学のお子様にもご来場いただけます

毎回公演のテーマに沿ったお子様用コンテンツがあります。学生の方は1000円でご覧いただけます。これは、ご協賛企業、若者応援チケットご購入の皆さま、のご理解により実現しております。

2.事前に解説があります

学校も、学部も様々の学生実行委員が能について、「私にとっての能へのゼロイチ」、上演作品について等身大でお客様にお話しいたします。

3.公演中、同時解説が配信されます

お客様のスマートフォンに「LINE」による同時解説を、日英二言語で配信しています。当日お配りするパンフレットの解説も、学生による翻訳で、日本語版と英語版をご提供しています。

まずは、お子様、学生さん、社会人の方、海外の方に、能楽堂に行ってお能を観て良かったという楽しい思い出を作っていただけたらと思います。

Wakamono Noh is a beginner friendly Noh event for youngsters, and preschool aged children are welcome too! There will be an introduction before and discussion after the Noh performances, and bilingual (Japanese & English) simultaneous commentary via LINE to make it easier to follow the performances.

若者能 公式サイト

デジタルコンテンツ

CGで制作した能楽堂を使用した能楽堂ツアーやVR技術を使用した面をつけた視点の体験コンテンツ、特殊映像によるエフェクトを通して能舞台を鑑賞するコンテンツ等を制作し、敷居が高いと言われがちなお能を少しでも身近に感じていただける様々な取り組みを試みて参りました。
CG能楽堂に関しては、今後の発展性、ご一緒下さる方を探しております。 ぜひお声がけください。

Workshop for overseas

Japanese traditional performing arts “Noh”

Noh has a history of over 650 years. It is the oldest performing art in the world and Japanese traditional culture that still exists. Noh is a performing arts that follow the flow of sacred rituals.There is a story, but the interpretation of the emotions of the characters is left to the viewer. Until now, only the privileged class was allowed to appreciate it, and they protected Noh performers and developed culture. The movement of the main character(called Shi-te), the main component of the stage, is a series of abstract types that do not make sense in themselves, but the slow sequence of forms (called Mai), which allows the viewer to immerse himself in a deeper world. Backing chorus by 8 members (called Ji-u-tai),this whispering voice like an earth song coming from the ground is a help to better understand the stage and rhythm of the music instruments that responds to the identity of the Japan person encourage this.
You will feel comfortable on the stage with its unique tension.
More than 200 works show the life's good times and bad times,but the author’s interpretation is not given.A tranquil stage that never changed is reminiscent of the religious views of Japan people. The production of the one- to two-hour stage is extremely concise. The background, lighting remain the same. A stage where you can feel the spirit of Japan people everywhere.
 
能は650年の歴史を持つ世界でも最も古い舞台芸術であり、現存する日本の伝統芸能です。神事の流れを汲む芸能で、ストーリーはありますが人物の感情の解釈が鑑賞者にゆだねられます。これまでは特権階級のみに鑑賞が許され、彼らが能楽師を庇護し文化を発展させてきました。舞台の主な構成要素であるシテの動きは抽象的な型の連続であり、それ自体意味を成しませんが、ゆっくりとした動きの連続が舞と呼ばれ、これによって鑑賞者はより深い、世界へ没入することができます。ささやくような地謡の声や日本人のアイデンティティに呼応する囃子のリズムがそれを助長します。
誰もが独特の緊張感漂う舞台に心地よさを感じることでしょう。
200作以上と言われる作品の、人生の良い時も悪いも同等に扱う姿勢は日本人の宗教観を思わせます。約1時間ないし2時間の舞台の演出は極めて簡潔で背景、照明は変わりません。日本人の精神が随所から感じられる舞台です。

The masks hung on the faces of grandmasters and the costumes they wear are works of art in themselves, and many of them are valuable such as national treasures. The faces are mainly hammered out of cypress, lacquered and painted. Various expressions appear depending on the angle and the viewer's emotions, and you may get a strange feeling when you look at it. The costume is made of silk dyed and woven with natural dyes and is profound. Silk was made with care by the makers, they grow the silkworms that are the raw material and the mulberry leaves as food for the silkworms.
 
玄人の顔に掛けるや身に着ける装束はそれ自体美術品で、国宝のような貴重なものも多くあります。面は主に檜から打ち出され、漆が掛けられ絵付けが施されています。角度や観る人の感情によって様々な表情が現れ、見ていると不思議な感覚を受けるかもしれません。装束は絹を天然の染料で染め、織り上げられ、重厚です。絹は原料となる蚕、その餌となる桑の葉にいたるまで作り手により心を込めて作られています。
舞台背景となる正面の壁は鏡板と呼ばれ、檜の板に一本の松が描かれます。各能舞台にそこでしか見ることの出来ない松の背景があります。全国にあり常緑樹である松は観る人が心に描く情景を妨げることのない背景です。

The bespoke workshop
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